鹿ケ谷に天狗を見た

秋たけなわ

ということでもないが

京都は東山のふもと

泉屋博古館に行ってきた

いずみや・・・?

ではなく、せんおくはくこかん

f:id:nyanpokorin:20201109233049j:plain

ここは青銅器のコレクションで名高いが

現在「開館60周年記念名品展Ⅱ」開催中

ということで出品されてる

八大山人の「安晩帖」が見たかったのよ

前期と後期で頁替えするらしいが

本日は魚

思ってたよりずいぶん小さい

八大山人の描く魚といえば

上目遣いのギョロ目でおなじみ

漫画っぽいともいえるが

この目つきには清朝への恨みがこもってるという説もあり

さらっと描いてるようで

けっこう写実的というか

 尻鰭のあたりをちょっとふくらませてるところ

芸が細かいのう

そして

この人の字は

マジックで書いたような

見方によってはこれまた

とぼけたような味わい

だと思ってたけど

実際よく見ると

もっと繊細な印象

出家して寺で修行していたが

五十歳ぐらいで発狂して還俗

とかいう話だが

精神に変調をきたした人の字には見えん

というか

たぶん佯狂って奴じゃね?

と思ってしまう

 

徐渭の「花卉雑画巻」も展示されてて

こちらは本格的にメンタルが危うかった人

自殺未遂のエピソードもあるらしいが

やっぱりDVで妻を殺害というのが

インパクト強すぎ

さらにその書もおどろおどろしいから

絵もさぞかし・・・

と思ってたら

案外普通でした

添えられた書も「ザ・徐渭」って感じではなく

老境に入ってからの作品という事で

枯れたんか何かしらんが

ま、一周回って漂着した感じかな

 

この他

若冲の「海棠目白図」は

文字通り目白押しで枝にとまる

メジロのもふもふ感がたまりませんの

さらに絵巻も忘れるな

「是害房絵巻」

中国から日本にやって来た

是害房という天狗の話なんだけど

天狗は天狗でも烏天狗の方で

しかも見た目はほぼ

映画「バードマン」に出てきたアレ

相撲に負けたり

天狗仲間に担架で運ばれたり

風呂で湯治させてもらったり

こんな面白いものがあったとは

絵巻の世界は奥が深い

 

鹿ケ谷のあたりは紅葉も進んで

イチョウも黄色くなり

けっこうな見頃なんだけど

鴨川の辺まで行くと

イチョウはまだ青々としてたりして

ほんのわずかな距離で

季節が異なるのもいとをかし

f:id:nyanpokorin:20201110001016j:plain

f:id:nyanpokorin:20201110001048j:plain