モンティ・パイソンと「いやげもの」

1969年よりイギリスで放送された

コメディ番組「モンティ・パイソン

笑いの歴史はきっと

モンティ・パイソン」以前/以後で区分されるであろう

エポックメイキングな作品

最近読んだ

モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝」(早川書房

この本の著者は

番組の制作にかかわった主要メンバーの一人

自伝とはいえ

本の内容は彼の生い立ちから

モンティ・パイソン」大ブレイク寸前まで

それでも十分な量があるというか

内容はかなり詳細

しかし、時代背景を知らない者には

ちょっと冗長でもある

ただしみじみ思うのは

彼をコメディに向かわせた要因の一つは

母親の病的ともいえる(いや、今ならきっと診断名がつくはず)性格ではないかと

日常における不条理は限りなく喜劇に近い

「もう、笑うしかないんですけど」

そこで笑うか

自己憐憫に陥るか

その辺は個人の資質かな

 

お笑い番組は嫌いじゃないが

毎回決まって見るほどの

お気に入りはない

イヤほど笑った記憶というのは

やはりライブですね

場の空気という奴のせいか?

なんば花月でも十分笑えるが

笑いすぎて息も絶え絶え、というのはやはり

みうらじゅんいとうせいこう

ザ・スライドショー

あれは本当に可笑しい

しかも後になって

何をそんなに笑っていたのか

あまり記憶がないという謎

(たぶんスライド見たら思い出す)

ここ数年やってないが

久々に行きたいんだわあ

ただ、配られる「いやげもの」が

回を追うごとにエスカレートしてて

持って帰るのが大変だし

家での置き場にも困ってる

それでこその「いやげもの」なんだけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラ・スクムーン

たまに掲示板で

「この曲の名前知りませんか」というネタがあって

鼻歌的なものを

無理やりテキストに起こしてる人がいる

そんな無茶な、と思ってたら

数ある回答の中に(皆さん親切)

正解があったりして

「そう、まさにこの曲です!ありがとう!」

てな展開に

ネットって本当に便利だねえ

 

子供の頃の私に

世の中こんな事になってると

知らせてやりたいもんだ

あの頃は

ふと耳にしたワンフレーズに

「何なんだこの曲は!」

そう思ってから答えが出るまで

年月を要したものです

ドビュッシーの「アラベスク第一番」には

二年かかったよ

また、高校時代にテレビでふと見た映画

「ラ・スクムーン」

映画はそんなに面白いとは思わなかったけど

音楽が素晴らしい

「あの曲をもう一度聞きたい!」

その願いが叶ったのが、つい最近

ちゅうか、検索すればよかったのね

映画を見た時に

La Scoumouneという綴りだけは頭に叩き込んだが

(私の脳はたまに異様な瞬発力を出す)

仏語の辞書にも載ってなくて

ほぼ迷宮入りしてたんだけど

シシリー島の方言だったらしい

で、問題のテーマ曲

YouTubeであっさり出てきた

ここここれだよこれ!!!

積年の望みを達成した安堵感で

うっかりそのまま絶命するかと思った

あーなんかすごく70年代でフランスな曲調

オリジナルバージョンもいいですが

ピアノやギターにアレンジしてる人とかもいて

この曲のファンはけっこう多いらしい

 

ともあれ、今の時代

きっとすでに鼻歌検索アプリとか

実用されてるよね

かえって

検索しても決して出てこない事を

探す方が難しいかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

噂のもこみち

朝の情報番組はNHK派

民放派の知人よりかねがね

「もこみちの料理がヤバい」

そう聞かされてきた

「オリーブオイルもだけど、塩が多すぎるんじゃない?」

一度見なければと

思っていた矢先

図書館でこんな本を発見

「MOCO’Sキッチン 新レシピコレクション vol.1」(学研パブリッシング

2013年の出版だから

そこまでエスカレートしてないのか?

肉、魚、麺とパスタ、ごはんもの、スナック

まんべんなく押さえております

どれもおいしそうです

しかし問題のオリーブオイルと塩については

適量

そう書かれた箇所がほとんどで

結論としては

「本じゃ、わからん」

 

とはいえ私はこの本の

別な部分に感動

料理の、量が多い

いつも料理本を見るたびに

「二人分でこれだけ?!」とか

少なさに納得できずにいたが

この本に関しては

「これだけあれば、よし」という

盛りの良さ(特に炒め物系)

それはしかし若干の

オシャレ度低下というか

よそゆきではなく

うちの料理がそのまま

どーんと写ってる感、でもある

まあそれも

もこみち作という事で

いいんじゃないかと

 

そういえば

彼が出てきた頃は

「もこみち」という

名前そのものが衝撃だったけど

いつの間にか慣れたな

 

 

熊の毛皮

なんと

ほぼ日手帳のカバーに

シュタイフバージョンができるらしい

シュタイフとは

元祖テディベアでおなじみ

ドイツのぬいぐるみメーカー

ここと「ほぼ日刊イトイ新聞」がコラボして

テディベアを発売するんだけど

一緒に手帳カバーも

ということらしい

写真をチェックすると

熊毛皮仕様で

モフってる

こ、これは…

お値段一万円ちょい、とはいえ

かなりの秀作

心が動きます

 

しかし

私は別の宗派に属している

同じドイツのメーカーでも

ケーセンの信者なのだ

残念ながら日本での知名度はイマイチ

ごく一部の百貨店や

輸入玩具専門店とかでしか

扱っていないが

リアルを追求し

しかも味わい深い

コレクションの数々

お金とスペースがあれば

全部揃えたい

現実には一匹だけ

スイスの玩具店から

来日していただいた

一目ぼれって奴ですね

 

というわけで

ちょっと信仰が揺らいだが

やはりケーセンに殉じることに

 

ところで

熊の毛皮

去年訪れた温泉宿の

囲炉裏端に敷かれていて

喜び勇んでモフったら

かなりの剛毛だった

そりゃそうだわな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「漂うままに島に着き」

盆休みも終わり

正気に戻る頃合い

でもまあ週明けまでは

休みのノリでいいんじゃないの

というわけで

都会脱出もの

内澤旬子「漂うままに島に着き」(朝日新聞出版)

 

著者は東京で本を書いている方

癌になったり

身の回りの品を処分しまくったり

色々あったりするうち

都心での暮らしが息苦しくなり

地方への脱出を考える

しかし、どこへ

これまた色々

迷ったりためらったり悩んだりして

小豆島へと移り住む

そのドタバタの日々と

冷静な目での自分生活再検証

結果として

多くの人に支えられ

受け入れられて

大きな帆をふくらませた

新生活は前へと進んでゆく

 

思うにこの方

自分で考えているよりもずっと

社交的というか

真摯な態度で

相手に向き合う人ではないかと

そんな感じが行間から

にじみ出ている

 

しかし一般的には

田舎暮らしって

そう簡単なものではない

いわゆる「田舎」出身の友人は

「戻っても先がない

限界集落に近づいてる」

だそうで

難しいねえ

 

さて私の祖父母は

しまなみ海道のとある島の出身

DNA的には半分瀬戸内

そのせいなのか

太平洋より

瀬戸内海の

のどかな風景に心安らぐ

いいとこですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄を覗き見

休みだけど少し早起きして

あをによし

奈良の都へ

鹿がいるいる

何があるのか

すごい勢いで走る一群も

ごはんの時間か?

動物と過ごす場所はいいねえ

 

目的地は奈良国立博物館

特別展示「源信 地獄・極楽への扉」

Lonely Planet : Heaven / Hell 的な書物

「往生要集」を著した僧 

源信にまつわるもの

極楽往生するにはどうすべきか

死後の世界はどうなっておるのか

それをビジュアル化した絵の数々

どれも丹念に描かれているものの

やはり地獄が圧巻

なんかもう極楽は

定型パターンできっちり描いてるのに

地獄には

想像力を限界まで押し広げたような

勢いがある

別に行きたかないんだけど

盛り上がってんな…

遠くからそっと覗き見る

 

しかし

肝心の国宝「六道絵」がないんですけど

そう思ってたら

期間によって展示替えが!

もう終わってた(泣)

代わりと言っては何だが

この期間は同じく国宝の

「餓鬼草紙」と「病草紙」が出ております

しかしこの二種は地獄絵の持つ

アナーキーな迫力というより

むしろ憐憫の情を誘う

 

めくるめく

地獄極楽ジェットコースターの後は

同じチケットで入れる仏像館で

仏様に囲まれ

しばしの安らぎを

外に出ると

けっこうな雨

サンダルに飛んでる泥の何割かは

鹿の糞ではあるまいか

もやった空気は家畜の香り

いいんです

草食動物だから

 

帰宅して

テレビをつけたら

インパール作戦に関する

NHK特集を放送中

実のところ地獄とは

人間が作るものだった

合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡瓜成仏

お盆のせいなのか

台所においていた胡瓜が

即身成仏

しなしなにしなびた

 

昨年この場所で

キウイが即身成仏した

なんか日持ちするよな

と思ううち

表面にうっすら皺が寄り

一カ所から泡を吹いた

どうやら

生きたまま発酵した模様

内部は酒か?

さすがに飲む勇気なし

極楽浄土へ送る

 

二度も即身仏が出たら

うちの台所

霊場認定でいいかね?