-1.0

物心ついた時から特撮ともに人生を歩んできた私。

基本的にウルトラ派だが、ゴジラもそれなりに見てるよ。

ただし、ウルトラがテレビなのに対し、ゴジラは映画館。しかもうちの親はアンチ「東宝まんがまつり」のディズニー派だったので、ゴジラ関係は手薄だ。

(ちなみに、ディズニーで初めて映画館で見たのは「101匹わんちゃん」)

 

というわけで気がついたら、大人になってから映画館で見たゴジラの方が、子供の頃テレビで見たゴジラよりも多くなっていた。

それすなわち、正義の味方、優しいゴジラではなく、オリジナルゴジラの流れをくむ、制御不能な、謎の巨大生物。やはりゴジラの神髄はこれである。太平洋の深海底より現れ、帝都を容赦なく破壊して人々を震撼させる。

 

しかし、これほど特撮好きな私でもたまに思うのだ、一体どれだけゴジラ映画作ったら気が済むねん・・・

たしかこないだ「シン・ゴジラ」を見たところだったのに、もう「ゴジラ-1.0」公開か、と思ってるうちにアマゾンプライム見放題。

早い。そして、ありがたい。

 

この「-1.0」、「シン・ゴジラ」ほどの話題にならなかったが、なんでかな、と事前情報ほぼゼロで鑑賞。

映画としては色々と緩いが、特撮としては面白い。

時代背景は太平洋戦争末期から敗戦後の数年。オリジナルゴジラ第五福竜丸の1954年を基準点にしているから、そこを遡って-1.0って事だろうか。

焼け跡、バラックの東京が舞台だが、なんかいま一つしっくり来ないのは多分、昭和の時代には大勢いた子供たちの姿がないせいか?とにかく、そういう細かい事を言い出すときりがないのでおいとく。

 

今回は、そのような、敗戦国日本が満身創痍の状態でいかにゴジラを倒すのか、という物語である。自衛隊はまだ存在せず、アメリカは極東での軍事行動により冷戦下のソ連を刺激したくないので動かない。

そこで、軍籍を離れていた駆逐艦雪風だの、大戦末期に開発されたが日の目をみなかった新型爆撃機を民間の力で動かしての大作戦となる。

この流れ、軍艦も戦闘機も兵器も戦闘も大好きだが、そこに軍国主義が絡んでくるとややこしいので、純粋にドンパチだけを楽しむ映画をつくるにはどうすれば?の一つの答えではないかと。

民間による戦争。命は大事にしようね、みんな仲良くしようね。でもドンパチしたい。

なんだか肝心のゴジラよりもそういう事がやたらと気になる作品だった。黒い雨を降らせておいて、放射能による健康被害を語らない、というのもよく判らないし。

 

それはさておき、主役の男女が朝ドラ「らんまん」と同じカップルだったので、この男は戦闘機を操縦しながらも、植物採集のためどこかに飛び去るのではないかと、これまた気になって仕方なかった。