「カス」なのに

久々に友人と集まった午後

場所は伏見桃山

大手筋商店街の賑わいも変わらず

というか

賑わい過ぎて

ミスタードーナツドトールモスバーガーサンマルクもヴェローチェも

満席

ぷらぷら歩いて

ちょっと離れた

酒蔵エリアの店へ

ここは酒造会社の建物だったらしく

古い木造の落ち着く場所

酒樽に印をつける焼きごてとか

昔の道具も展示してある

コーヒーと一緒に

酒饅頭も食べ

積もった馬鹿話をひとしきり

あっという間に夕方となり

ついでに晩ごはん食べてくか

と歩きだす

ここは酒の街だけあって

日の暮れ切らないうちから

飲める店にはお客がいっぱい

ですが我々は酒は飲まず

定食屋さんへ

席につき

メニューを見ると

「季節限定 粕汁」の文字が

そうそう

大手筋の酒屋さんでも

酒粕が並んでおりました

定食メニューに200円プラスで

味噌汁を粕汁に変更できるというので

迷わず注文

出て来たのは

うちで飲んでるより

はるかに濃厚な一品

粕汁というよりも

ポタージュ、いや下手すると

カレーに近い濃度があり

一気に暖まった

名前は「カス」なのに

旨味が凝縮されてるのよねえ

「酒」と「粕」で

一粒で二度おいしい

日本酒以外にも

搾りかすを食べる酒ってあるんだろうか

ワインの葡萄とか

理屈ではおいしい

はず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッホ展 

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」京都国立近代美術館

初日ですがいきなり

外出のついでに行ってきた

12時前に到着

そう混んでもおらず

いい感じ

副題が示す通り

ゴッホの作品と

その制作にインスピレーションを与えたとされる

広重や北斎の浮世絵を併せて展示

十九世紀の「クールジャパン」が

どのように受け入れられたかを

知ることができる

そして

ゴッホに心酔した

日本人たちの

ゴッホ追体験ともいえる

渡仏を記録した

日記や葉書などの資料も多数

なので

出展総数のうち

ゴッホの作品が占める割合は

半分に満たないけれど

存在感は圧倒的

 

そこまで好きな画家じゃないわー

などと思っておりましたが

見るとやっぱり引き込まれる

熱量の大きさ

どれほど浮世絵に影響されたといっても

うねるようなタッチは常に存在し

ゴッホ自身である事をやめない

というか

本当にあのような

渦巻く点々のように

世界が見えてたんじゃないかと

思えてくる

 

彼はずいぶんと日本に憧れ

心を寄せていたけれど

その「日本」は

周囲とうまく折り合えず

居場所を求めて漂泊した彼が夢見た

この世のどこにもない場所

 

困難な人生が

作品に妙な「値打ち」をつけてしまうのは

今なお変わらず

「凄絶人生」という枕詞を伴えば

各界のアーティストが

少し有難味を増すマジック

私がそう好きじゃなかったのは

ゴッホにまつわる

イメージだったかもしれない

 

猫にやすりを…

Made in Japan

安心と信頼の証明

という事で

先日、朝のNHKニュースで紹介されていた

便利グッズがインパクト大

猫用ブラシのように見えて

実は「やすり」

その表面はなんと

ざらざらとした猫の舌を忠実に再現

このやすりで撫でられた猫は

恍惚の表情

どうも「舐めてもらってる」ように

感じるらしい

商品名「猫じゃすり」(猫じゃらし+やすり?)

あああ私も使ってみたい

でもよそ様の猫に

勝手にやすりをかけてはいかん

 

ところで

いつの間にか

陳凱歌監督が新作を撮ってた

タイトルはずばり「空海

夢枕獏の原作らしいっす

中国語のタイトルは「妖猫伝」で

この距離感は一体…

絢爛豪華な予告編で

よさげに見えつつ

「PROMISE」の悪夢が蘇るような不安もあり

陳凱歌+潤沢な資金×CG=やりすぎ

というのが私の見解

「趙氏孤児」で持ち直したような気もするが

「白髪三千丈」的な表現を

マジで実写化してしまうところが

いろいろ足りてなかった頃に

キャリアをスタートさせた世代の宿命か

2月24日公開らしいけど

見るなら早めに行った方がいいのかも

なんだかんだ言って

私は監督個人のファンである

昔はワイルドでよかったんだけどねえ

 

 

 

 

通勤電車でサラダチキン

仕事帰りの電車

そんなに混んでない

どこからともなく

ガーリック系の美味しそうな匂いが

また高校生が

コンビニで何か買ってきたか

そう思ったけど

彼らの姿はなく

斜め前の席で

OLっぽいお姉さんが

ビニールのパックに入った

何かを齧っていた

おにぎりでもなく

パンでもないそれは

サラダチキン

なんかこう

パックのハムをそのまま食べてるのと

意味的には変わらんのだけど

サラダチキンといえば鶏胸肉

近頃著しく注目されている

ヘルシーお肉ということで

「あり」なんでしょうか

そういえば前に

新幹線で同じような光景を見たが

やっぱり若いお姉さんだった

もしや美容と健康に意識高い系の間では

移動途中にさくっと食べるのが

すでに常識なのか?

けっこう塩辛いと思うけど

喉は乾かないのか?

などと思っていたら

お姉さん、服に汁がたれた模様

拭いてます

でも匂い残るだろうなあ

野良猫、寄ってくるかもよ

それを想像すると急に

うらやましくなった

 

 

切りました

ようやく髪を切った

サロンのメンバーズカードによると

前回のカットは9月9日

なんと四か月が経過

切るのを忘れていたわけではなく

12月から既に

切りてえ…があり

その一方に

忙しい…があり

年末は混むよね、とか

さすがに成人式前はないよな、と

勝手に忖度し

本日ようやく決行

前回は

「できるだけ短く」とリクエストしたので

なんとか四か月持ったけど

今回は寒いので長めに

 

そういえば

前回のカットの数日前に

職場にタヌキが出たんだけど

図らずも今回また

タヌキ目撃後に髪を切る

お告げ、というのもアレですが

 

しかし私は子供の頃から

散髪屋さんが嫌いで

今も好きではないものの

「人としての義務」みたいな感じで

行っております

「嫌いだからずっと伸ばして束ねてる」的な

強者の方には憧れるものの

実行する勇気なし

なんせ髪が太くて多い

切り頃の見定めは

「乾かすのに時間がかかるようになった」

この辺でギブアップ

 

苦手な場所だから

切られてる間は静かにしてるけど

ずっとしゃべってる人の会話力って

すごいよなあ

そういえば以前行った店で

隣の六十代とおぼしき女性が

「私は一度、子供を捨てて家を出てるから」という

ディープな身の上話を始め

二十歳そこそこの美容師さん

「はあ…」としか言えず

私だったらどう答えるか

やっぱり「はあ…」しかないか

 

 

 

 

文字通り

この冬一番の寒波らしいけど

今朝、うちの職場

窓の結露が内側から凍ってた

かなりブラックな感じですな

 

動物たちも

食べ物に困っているのか

裏の緑地で

久々にイタチを目撃

さらに

待望のタヌキ登場

今度こそ写真を!

そう思うものの

向こうも

「何か狙われてる」と

窓越しながら察知するのか

あたふたと逃げの体勢

しかし

自分から見えない=相手からも見えない

そう思ったのか

頭だけ物陰に入ったところで停止

文字通りの

「頭隠して尻隠さず」

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丸で囲んだ部分が

タヌキのお尻

ああなんか

このいじらしさが

タヌキっぽくてたまらん

元気で冬を乗り切れ~

 

 

 

元祖、ヒョウ柄

「唐代胡人俑」展を見に

大阪市立東洋陶磁美術館

これは中国は甘粛省

とはいえ陝西省西安に近い

慶城県という場所で発掘された

穆泰という軍人の墓から出土したもの

埋葬されたのは唐代(8世紀ごろ)で

当時のこのあたりといえば

唐の都、長安(今の西安)を中心に

国際都市として栄えまくっていたので

現在の東京における

「やたら外国人が目につく」と同じ状況が

発生していたと思われる

その「外国人」こそ「胡人」と呼ばれる

漢民族ではない、中央アジア系の異民族の人々

死んでからもあの世で寂しくないようにと

お墓に入れる埴輪的な副葬品にももちろん

胡人の皆さんは多数参加

鮮やかな彩りのファッション

彫りの深い顔立ち

豊かな表情

躍動感あふれる造形

いるよなー、こんな人と

ついつい見入ってしまう面白さ

中にはヒョウの毛皮で作ったパンツ姿の人もいて

ヒョウ柄スパッツの大阪マダムの

源流を見た気がしました

人物だけではなく

馬や駱駝もすごいよ

人物像はちょっとデフォルメもあり

ゆるい感じの作りなのに

馬も駱駝も非常にシャープかつリアル

蘭州博物館の

燕を踏んでる馬にも負けない

緊張感があります

というか

なんでこんなに駱駝が目を剥いてるのか

不思議ではある

コブがぺこぺこだから

長旅の後らしいが

疲れとんじゃワレ~と

飼い主に反抗しているのか

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そうそう

写真OK(フラッシュ厳禁)なのも嬉しいところ

私が気に入ったのは鷹匠さん

帽子も鷹という

若干コスプレの入ったファッションが良い

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連携企画の「いまを表現する人間像」という展示と

常設展も見られて

楽しかったわ

 

そういえば

「いまを表現する人間像」で出品されていた

美女と野獣」という作品

ワックスで作った若い女性の像に

フリーズドライで粉末にした

動物の血液を吹き付けて塗装(?)

いやたしかに

黒いけどどこか赤っぽい

変わった色だとは思ったんだけど

血液・・・

作者にはあまり会いたくない気がする