コナン、内藤さんの方

コナンに関する本を読んだ

といっても名探偵ではなく

内藤さんの方

内藤湖南 近代人文学の原点」(筑摩書房

ああ、能書家で中国学者の、と

ざっくり分類していた、あの人

彼の学問的アプローチの形成された過程と

その特徴について

判りやすくまとめてある

特に面白いのが彼の「心知」という能力

すなわち研究対象である時代の精神を以て

その時代を語る

他者の立場でものを考える

異文化理解

著者は彼のこの力を培ったものの一つが

臨書であると考察

たしかに

人の書いた字を模倣するというのは

思いのほか、その精神に近づく作業かもしれない

もしかして湖南さん

FBIでプロファイラーになっても

かなり優秀だったのではなかろうか

ということで

湖南・ザ・グレートを実感させてくれる一冊

教授の新譜

坂本龍一の新譜「async」が出た

体調もよろしいようで安心

ライナーノーツによると

「架空のタルコフスキー映画のサウンドトラック」

というコンセプトらしいけど

無駄なものを全て濾過して残った

純粋な音の響きという感じで

教授はどんどん先に進んでるなあ

 

「fullmoon」のポール・ボウルズの朗読

私も最初に「ザ・シェルタリング・スカイ」を見た時

すごく印象に残ってましたよ

あと何度満月が上るのを見られるか?

その言葉もだけど

原作者なんでいきなりモロッコのカフェに現れる!?

というびっくりも若干

邪道な映画鑑賞

 

今んとこ一番好きなのは「solari」

ソラリス」のバッハもよかったけど

このほやっとつかみどころのない空気感がよい

 

このアルバムで思い出したのは

数年前に見た長谷川等伯の展覧会

北陸でちまちまと細密画のような絵を描いていた等伯

最終的に到達した「松林図屏風」の抜けっぷり

ここまでそぎ落としたんだ…と

カンディンスキーも初期の濃い感じ(それはそれで好き)から

円熟期は「スカイ・ブルー」のように簡潔な作風

世間一般には「枯れた」って表現になるのかな

しかしやはりこれは

極めた人にのみ為しうる

凝縮ではないかと

 

 

 

 

 

 

お姉さんのカフェ

街歩きの昼下がり

小さなカフェに入った

テーブル三つとカウンター

若いお姉さんが一人で回してる

小奇麗な店

チキンのサンドイッチとコーヒーで

のんびりしてたら

常連らしいおじさんが入ってきて

「コーヒーちょうだい」

なんとなく

この場に合わない

夜と煙草の雰囲気

そしておじさんは私に目を留め

「お客さん?」と

お姉さんにたずねた

「お客さんでなくて何なんだ」と

心の中で突っ込む私

さらにおじさんは

「じゃあ、一人の時にまた来るわ」

お姉さんは、少しだけ尖った声で

「はい?」

「いや、またしばらくしたら来るから」

おじさんは立ち去った

お姉さんと二人きりになりたくて

誰もいないところを狙って来るお客なのだろう

そしてお姉さんはあまり歓迎していない

よくある話だけれど

客商売とはそういうものだ

私はできるだけゆっくり過ごしたけれど

おじさんは戻って来ず

かわりに中年の夫婦が入ってきたので

店を出ることにした

フィギュアスケート世界選手権

昨夕までそわそわと落ち着かず

その理由がフィギュアスケート世界選手権

といっても、羽生選手ではなく

ジェイソン・ブラウン選手

SPもよかったし、

全体になんか良い雰囲気の大会なので

これはいい結果が出るんじゃないかと

期待しちゃったよ

そしてやはり

美しかったフリー演技

これで見納めか

特に、ミッシェル・クワンを思い出す

素晴らしいスパイラル(男子だけど)

 

ソチ五輪団体戦で初めて見て

この人はエンターテイナーだ!

見えないものを表現する力がある!と感動

以来ずっと注目しておりますが

当時は情報が少なかったので

直輸入フロムUSA

ジュニア時代の動画もチェック

これがなんか、阿修羅像みたいで可愛いんだわ

彼の地のファンによる掲示板ものぞいてみたよ

というわけで

私は日本で五本の指に入るジェイソン通だと

自負しておりましたが(嘘)

最近の彼はツイッターの日本語も上達し

知名度もずいぶん上がったようで

よかったよかった

 

これからも怪我だけは気をつけて

長く滑ってほしい

四回転なんか別にどうでも…

という暴言にて

今季終了

 

4月9日追記

なんと彼は国別対抗に出るらしい

来日ですか

ありがたや

楽しみにしてるよ~

定時に家を出る

毎朝定時に家を出ると

こちらも定時に家を出たらしい男性が前を歩いている

彼はいつも

自販機の前の側溝に

それまで吸っていた煙草を捨てる

私はいつも

彼に天誅を下したいという

大それた考えをいだく

たとえば

「DNA鑑定の結果、吸い殻は全て貴殿のものと断定されました」という

矢文を射かける

たとえば

側溝に煙草を捨てた瞬間

「熱っ!」とおじさんのダミ声が聞こえる

センサーを設置

どれもなんだかな

時間をずらす方がいいかも

 

 

雑種オブザイヤー

雑種の犬が好きだ

特に日本犬

近頃滅多に見かけない

ブチ犬などいいですね

四つ足だけ白いのとか

口元にホクロみたいな黒い点のあるやつも良い

体格は

柴犬より一回りほど大きい

散歩の時は

リードなんてお洒落なものでなく

縄、それも元は白かったのがすすけて

灰色になってるぐらいなのが似合う

飼い主は高齢者で

犬の方が気遣ってゆっくり歩く

そういう子に遭遇すると

「雑種オブザイヤー」にノミネート

いつか表彰式をしたい

雨上がりの朝

雨上がりの朝で

西の空には虹

中国では昔これを

天を貫く龍か大蛇だと見たらしい

それも面白いけれど

さらにすごいのが蜃気楼

あれは

巨大なハマグリ(蜃)が吐き出す息なんだと

ぷはぁ~

いいこと考える