サロメいろいろ

なんか知らんが

好きな画家というのは

最初の一枚を見た時から

「これだ」という気がするもんで

ギュスターヴ・モローの作品を最初に見たのは

中学の美術の教科書に載ってた

「雅歌」でした

で、大人になり

パリのギュスターヴ・モロー美術館へ

ここはもう夢の空間ですね

住まいと作品の両方が堪能できる

しかも壁一面に

これでもかっつう程の密度で

油彩の大盤振る舞い

更にスケッチ、デッサンの類も

スライド式のケースに

一度では見きれないほど

展示されておりました

 

そんな旅の記憶も薄れた頃に

あべのハルカス美術館

ギュスターヴ・モロー サロメと宿命の女たち展」

これは行かねば

というわけで天王寺

場内そう混みあってもおらず

いい感じでゆっくり見られます

今回の目玉は「出現」という

サロメの前にヨカナンの首が浮かんでる作品で

それを中心に

サロメを主題にした作品と

所謂ファムファタール的な

神話に登場する女性たちを主題にした作品で

構成されております

 

油彩の大作もいいんだけど

イデア練ってまーす、的な素描の

繊細なタッチも素晴らしい

そして水彩画も

粗いタッチで仕上げた油彩もいいですね

顔の表情なんか描き込まれてもいないし

抽象画?と錯覚するほどの

簡略化された表現なのに

描かれているものがはっきりと判る

素人が適当に描いても

こうはならないわけで

長年の経験あっての名人芸

特に「スフィンクス」がよかったわ

 

さて

これでもか!というほど

サロメが出てきたが

やっぱサロメはヒールとして人気が高い

そしてオスカー・ワイルドの戯曲で

その人気は不動のものに・・・

私が好きなのはケン・ラッセルの映画

あの悪趣味ともいえるキッチュな映像

モローが見たらどういう感想だか

ちょっと聞いてみたい

そういや初めてパリに行ったときに

バスティーユオペラ座

リヒャルト・シュトラウスの「サロメ」を見たよ

なかなかにふくよかなサロメだったが

ヨカナンの首を、と歌う声には

凄みがあった

 

さて

今回あれこれサロメを見るうち

これは仏像からパクったなと実感

十一面観音あたり

シルエット激似だし

ちょうど東洋美術が西洋に紹介され始めてた頃だし

もちろん他の要素も入ってるでしょうが

そういうところも含めて

好きなんだよねえ

 

ついでにハルカスで昼ごはんをと思い

暑いので冷麺がいいな

韓国料理の店に行ってみたら

すごい並んでて

諦めました

でも安心した

国際問題は色々あるが

食に国境なし