お姉さんのカフェ

街歩きの昼下がり

小さなカフェに入った

テーブル三つとカウンター

若いお姉さんが一人で回してる

小奇麗な店

チキンのサンドイッチとコーヒーで

のんびりしてたら

常連らしいおじさんが入ってきて

「コーヒーちょうだい」

なんとなく

この場に合わない

夜と煙草の雰囲気

そしておじさんは私に目を留め

「お客さん?」と

お姉さんにたずねた

「お客さんでなくて何なんだ」と

心の中で突っ込む私

さらにおじさんは

「じゃあ、一人の時にまた来るわ」

お姉さんは、少しだけ尖った声で

「はい?」

「いや、またしばらくしたら来るから」

おじさんは立ち去った

お姉さんと二人きりになりたくて

誰もいないところを狙って来るお客なのだろう

そしてお姉さんはあまり歓迎していない

よくある話だけれど

客商売とはそういうものだ

私はできるだけゆっくり過ごしたけれど

おじさんは戻って来ず

かわりに中年の夫婦が入ってきたので

店を出ることにした