地獄めぐりのジェットコースター

三連休

だらだらと二日目に突入

いいもんですね

これといった予定のない休み

思うに

正しい休みとはこれ

何もしない事

なのに

昨日は映画館へ

「パラサイト 半地下の家族」

韓国映画ってほとんど見たことないし

記憶に残ってるのといえば

母なる証明」ぐらい

と思ったら

同じ監督じゃねえの

これは危ない

油断せずに見よう

事前の情報はほぼ遮断

前半はテンポよく進むブラックなコメディ

という雰囲気で

貧乏一家が

金持ちファミリーの家に上がり込み

宴を楽しんでいる最中に

まさかの事態となり

そこから先は

乗ったつもりのなかった

地獄めぐりのジェットコースター状態

ゴールにたどりついても

魂しばらく戻らず

母なる証明」の母さんに

膝の裏に鍼打ってもらわないと

立てないような感じ

 

貧乏一家を

そんなに貧しくないじゃん

と思う向きもあるかもしれんが

これこそが現代の下層

住む場所もあれば

スマホも持ってて

子供は大学受験も諦めてない

でもそこから上には

どうしても行けない

よその国の話だと

突き放すには近すぎる

 

圧巻なのは豪雨のシーン

瀧のような雨の中

半地下の我が家へと

ひたすらに階段を下りてゆく貧乏親子

天国から地獄への道行きさながらに

「下」の世界の悲惨さが描かれる

一方

お金持ちの豪邸は

涼やかな笹の葉擦れや

絵のような庭といった

うわべの美しさとうらはらに

「シャイニング」的な磁力で

登場人物たちを呑み込んでゆく

  

生き残るために

互いを蹴落とし合うしかない寄生者と

善良と言う名の病に

感覚を鈍麻させられた宿主

その宿主に唯一残されたのが

嗅覚

匂いって

侮れないもんですね

 

「ジョーカー」に通じるものもあったが

この映画の主人公たちは

決して孤独ではなく

家族として

固く結ばれている

その事が最後に

静謐な余韻を残してくれる

 

ところで韓国の俳優さん

声がいいね~

特に社長さんと

クビになった運転手さん

やっぱりガタイが良いからか?

そして社長夫人

うちの社長の奥様に

なんか雰囲気似てるんですけど

大丈夫

私は騙したりしませんから!