南座で玉さまを

長らく楽しみにしていた

坂東玉三郎特別公演@南座

ついに来た~

久々の玉三郎

最後に見たのが

新之助時代の海老蔵との共演だったから

何年ぶりだよ・・・

さて本日の演目は

「檀浦兜軍記 阿古屋」

ゴージャスなお着物で

花道から登場する玉さま

 お美しい

なんて表現は月並みだが

そうとしか言いようがない

その一挙一動を瞼に焼きつけ

その声を耳に残すべし

この演目の見どころはやはり

阿古屋=玉さまによる

琴、三味線、胡弓の演奏

 一応、拷問という設定になってますが…

どれをとっても素晴らしいけど

胡弓がやっぱり盛り上がる

玉さまの芸の集大成とでも言うべき

贅沢なひと時

しかし場所がお白州で

裃に長袴の重忠(坂東彦三郎)が

ずずいと前に出てきたら

つい「遠山の金さん」を思い出してしまい

諸肌脱いで桜吹雪を見せるんじゃないかと

一瞬錯覚したよ

あと、ツボにはまったのが

岩永左衛門(坂東亀蔵)の人形振り

なんでわざわざ人間を人形に・・・というか

文楽を敢えて人間でやってみる

的な演出だろうが

なんかいいのよねえ

ずっと身振りだけで、台詞は全部義太夫だし

しかしこれ、どっかで見たなと思ったら

劇団「ク・ナウカ」の「王女メデイア」とか「アンティゴネー」とかの

女優さんに男優さんが台詞あてていた演出

元ネタはここか!

さて続いて「太刀盗人」

これは狂言からの演目で

玉さまはお休み

目代丁字左衛門(中村吉之丞)の

ポンコツおじいちゃんぶりがよかったっす

最後は玉さまが舞う「傾城雪吉原」

薄暗い舞台に雪が降る中を

せりで登場する玉さま

我々と同じ人類とは思えない

優雅さ、たおやかさ

生きてる博多人形か?

玉さまと同じ時代を生きて

その芸を目の当たりにできる有難さを

ひしひしと感じつつ

時間よ止まれ

 

というわけで

夢のひと時は過ぎゆく

楽しかった

しばらくは脳内再生でトリップできそう

そういや長いこと

歌舞伎を見てなかったのよねえ

南座が工事中だったこともあるが

 

ところで

いつも気になる「キース・ジャレット問題」

(咳払い、ポリ袋のカサカサ音などで、いつまでたっても場内に静寂が訪れない状態)

花粉症のシーズンにもかかわらず

思ってたよりずっと静かだったよ

特に胡弓のハイライトあたりは

水を打ったように静まり返ってた

しかしだ

開演で照明が落ちた途端に

ごそごそと動きだす人がいるのは

何故なんだ

明るいうちにする事やっとけ~