なぜか西部劇

正月休みに読書でも

という事で買った文庫が

エルモア・レナード著 村上春樹訳「オンブレ」新潮社

なんと西部劇ですよ

書評がけっこうよかったので

さくっと読むかと

さくっと・・・

いかなかった

というか

西部劇の世界観みたいなもんを

すっかり忘れ果てていた

駅馬車とか

保安官とか

拍車とか

そういうものの存在する世界を

読み進めるうちにようやく

あ~そうだ西部劇ってこんなんだった

弾薬帯をたすきがけにしたガンマンとか

白い服を着たメキシコ人とか

思い出してくるのである

どこまでも乾いた世界の

ワイルドでハードな

絶対絶命、さあ次はどうなる?

予測不能の物語

 

読み終えて

現在世界を引っ張っている

アメリカという国が

そもそもこういう

荒っぽいところから始まっていたのだと

あらためて思い出す

西部劇といえば

「インディアン」もつきものだが

以前読んだ

「史上最強のインディアン コマンチ族の興亡   最後の英雄クアナ・パーカーの生涯」(青土社

という本のことを思い出した

上下巻の分厚い本で

寝転んで読んでたら腕が筋肉痛になったという

それはどうでもいいんだが

これを読むと

漠然としか知らなかった

ネイティブアメリカンと開拓者の関係というものが

色々とわかって

やっぱり一筋縄ではいかないねえと

考えさせられた

「オンブレ」は白人とメキシコ人の混血で

アパッチ族に連れ去られ

子供時代を彼らと過ごした

という設定になってるが

このクアナ・パーカーという人物は

母親がコマンチ族に誘拐された白人女性という

複雑な生い立ちだが

一族の領袖となって

白人との戦いを先導した

その後、時代の変化とともに

両者は和睦への道を歩むのだけれど

彼の内面がどんなものだったのか

本当のところ

誰にも判らない

 

それにしても

昔は西部劇

テレビでもよくやってたね

「荒野の七人」とか

もう自動的に

淀川さんの解説と

あのテーマ音楽が脳内再生

さいなら~