「個人全集月報集 武田百合子全作品 森茉莉全集」

痛ましい事件に関する本など読むと

その反動で

自分にとってのユートピア的な本に逃避し

バランスをとったりする

というわけで

講談社「個人全集月報集 武田百合子全作品 森茉莉全集」

文庫なんですけど

全253ページなんですけど

本体価格1600円というお値段

…どうよ

目測わずか8ミリという薄さ

それでも買ってしまうのが

武田百合子森茉莉

恐ろしいところ

タイトル通りその内容は

全集の月報をまとめたもの

つまり本来は

全集をコンプリートしてないと読めないわけで

やはりお宝である

もう何度か読み返してるけど

森茉莉のパートは

親族の人々に共通する

鷹揚な空気が

何とも心地よい

別に声高に語っているわけでもないのに

茉莉に対する愛が

ちゃんと伝わってくるのだ

 

武田百合子のパートも

本人が語らなかった

彼女の一面を知ることができて

興味深い

彼女の作品は

犬が星見た」も非常に面白いが

やはり「富士日記」に尽きる

私は勝手に「富士日記」を

脳内映画化していて

主演は小泉今日子

以下

武田泰淳柄本明

花ちゃん:新人オーディションで発掘

大岡昇平竹中直人

大岡夫人:鈴木京香

石屋の外川さん:カンニング竹山

ぐらいのキャストが暫定されております

問題は顔に傷跡のある男前ノブさん

誰がいいかね

あまり俳優を知らないので

いまだ思いつかない

是枝監督あたりに「撮らせて」はどうかと

上から目線で

ちなみにラストシーンは

原作同様

病室の窓から

向かいの丘にあるマンションの

明かりの消えない部屋を

ロングショットで長回しにする

その場合

撮影は李屏賓以外にありえない

となると監督は

侯孝賢かトラン・アン・ユンでもよかろうよ

などなど

妄想がフルスロットル

そうするうちに少しずつ

気持ちも穏やかになるのです