「赦す人」

カバーが駒を並べた将棋盤で

その上に白黒の写真が三枚

おまけに著者が大崎善生とくれば

ああこりゃ「聖の青春」系統の

そう思う方も多いであろう

「赦す人」(新潮社)

たしかに評伝ではあるが

語られているのは棋士ではなく

SM界のレジェンド

団鬼六

あの「花と蛇」を書いた人ですね

うちにもあったよ

親父コレクション

けっこう大きい判型だったので

奇譚クラブ」の増刊ではなかったかと

もちろん、カバーかかってた

 

そんな鬼六先生の人生は

緊縛あり蝋燭あり

ではなく

山あり谷あり

父から受け継いだ相場師根性と

母から受け継いだ文才を

余すところなく開花させ

夜逃げから鬼六御殿

SMから純文学

最大限の振れ幅で

楽しみ尽くす

今はなき昭和の

酒と煙草の匂いが全編から立ち上る

優しきアウトローの一生

 

ところで

たこ八郎をずっと飼って(?)たの

鬼六先生だったのね

ブレイクしてからのたこちゃんしか知らなかったので

おどろいた