猫屋敷解体

心ひそかに「猫屋敷」と呼んでいた家

老朽化がはげしく空き家と思ってたら

人がいたりして

でもそれが猫にはいいらしい

住み着いているのは

黒猫だけど茶色になっている「にゃんこ先生」と

白地に黒の「にゃる」

この二匹は塀の上か門の上

あるいは屋根の上と

髙いところ専門

地上では見たことがない

ところが最近

猫屋敷の隣が更地になり

工事が嫌だったのか

二匹は長い旅へ

そして先日戻ってきたよ

せっせと写真を撮ってたら

六十代とおぼしき女性が

「猫はお好きですか?」と声をかけてきた

猫の保護活動をしてる人らしい

「あそこのお家が売られたんですけけど

持ち主の方が飼い猫を置いていかれるらしいんです

外の猫にも餌をあげたんですよね」

どうやら

にゃんこ先生たちは「外」の猫で

「中」にも猫がいて

しかもおいてけぼりらしい

家は近々解体されるらしく

女性はそれまでに猫を保護したいとの事

何も知らない

にゃんこ先生とにゃるは

猫屋敷のベランダで寛いでいた

にゃるようになるさと

思ってるのかもしれない