「女のお悩み動物園」

GWが終わって一週間。あー会社行くの面倒くせえ、という人も多いかと思う。

コロナの五類移行に伴って、リモートから出勤という職場も増えたと聞くが、大丈夫、わが社は非常事態だろうが何だろうがずっと出社してたし、社長はずーっとマスクしてなかったよ。

この辺を考えるとモヤモヤが止まらないので、どれ、隣の芝生の枯れてるところでも見て正気を取り戻すか、ということで手に取った、ジェーン・スー「女のお悩み動物園」(小学館)。

悩める女性を「夢見がちなラクダ」、「親離れできないカンガルー」といった具合に動物に例えてファイリング。それでいいのか?どうすれば現状打破できる?などなど親身にアドバイスしてくれる本である。

正直申し上げて私はもうこの本に登場する、悩める女子たちより一回り以上年齢オーバーしているため、「わーかーるー!」というより「あーいたいた、昔こういう子いたよ」という感覚で読んだ。

しかしいくら時代は進んだとはいえ、女の悩みというものは基本的に変わらないと再認識。ほぼ人間関係というか、自分と異なる価値観、境遇の人々とどう折り合いをつけて共生してゆくか、これに尽きる。いやこれは人類の普遍的課題というべきか。

ただ、どちらかといえば男性は「そんな事気にしても仕方ない」と、できるだけこの課題に気づかないふりをしているのに対して、女性はとにかく「気になる」「心配」「いイラつく」などと、事あるごとに反応しているように思う。

いちいち騒ぎすぎ、と言われてしまえば身も蓋もないが、気づかない(ふり)よりもずっとましだ。少なくとも、なんとかしたい、という意思はあるのだから。

この手のお悩み相談の回答はとかく上から目線になりがちだが、著者は常に「わかります、私もかつてそうでした」「同じ経験があります」と、悩める動物女子たちに寄り添った姿勢を保っているので、彼女のアドバイスに対しても「そんな理想論、無理」と白けずに耳を傾けられそうである。

少なくとも私は、想定されている読者(Oggiですかね)の年齢層ぐらい若かったら、うっかり転職とか起業とか考えてしまいそうだと思ったが、今の若者は「でもコスパ悪そうだし」などと冷静なのかもしれない。