これ全部実話ですから

ようやくのお盆休み

でも基本ステイホーム

なので読書

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」岩波書店

 

日本で「戦争」といえば

まあ大体、第二次世界大戦における太平洋戦争(日中戦争を含む)

という風に考えてしまうけれど

当然の事ながら

世界各国、さまざまな時代にそれぞれの戦争があったわけで

この本における「戦争」は

同じく第二次世界大戦の東部戦線である独ソ戦

1941年6月に

ドイツからの激しい進攻で始まり

その後ソ連が反撃して勝利した

四年間の戦い

その戦いに加わった女性たちの証言を

丹念に集めたのがこの本

従軍する女性といえば看護婦

と思いがちだが

そこは社会主義国

ザ・男女平等(建前上は)

なので狙撃兵をはじめ

工兵、高射砲手、通信兵、洗濯係

さらにはドイツに占領された地域で活動するパルチザン

あらゆる戦いの場に女性がいた

 

え~そんな可哀そうな

無理やり連れてかれたの?

と思いきや

彼女たちのほとんどが

自ら志願

中には年齢詐称やら

どさくさ紛れに近い形で入隊した人まで

徹底した愛国教育は勿論

やはりいきなり自国が侵略されたなら

立ち上がるのは必然か

しかし

まだ十代半ばから二十歳あたりの彼女たちは

「戦争」の何たるかを知らずに

使命感だけで戦場に飛び込み

圧倒的な現実にうちのめされ

そして再び立ち上がる

どんなに過酷な事態も

彼女たちの心から

やさしさを消し去ることはできない

それはしかし

戦いを終えた彼女たちの

新たな苦しみの元ともなる

男たちのように英雄視されることもなく

むしろ蔑まれた戦場帰りの女たち

過去を封印し

ひっそりと生きていた彼女らの物語を

著者は限りない共感を以て記録する

 

コミックになってるそうですが

ネットで検索したら

ジャンルが「SF・ファンタジー」になってたよ!

ファンタジー!!!!

これ全部実話ですから

しかし

若い人のためには

コミカライズは必要かと思う

たぶん本を読んだだけでは

ビジュアルを想像できないだろうから

私は

タルコフスキーの映画「僕の村は戦場だった

のイメージで読んでます

独ソ戦が題材の映像作品

あんまり接することないから

あとはジュード・ロウの出てた

スターリングラード」ぐらいかな

 

さて

第二次世界大戦はほぼ四年間

コロナもそれくらい続くと覚悟しておけば

気の持ちようも変わるんだろうか