「カリ・モーラ」

帰省ラッシュたけなわのようですが

 今週は一日だけ出勤

ここで一週間まるまる休みにして

社員に楽しい思いをさせたくないのが

うちの社長という人なんだわ

 

というわけで

こういう時は

上には上、の逆バージョン

もっとどうしようもない奴の話を読むぜ

トマス・ハリス「カリ・モーラ」(新潮社)

言わずと知れた「羊たちの沈黙」の作者

レクター博士の生みの親による新作

麻薬王の邸宅の地下にあるという

金塊を隠した金庫をめぐり

筋金入りの悪党どもが

仁義なき戦いを繰り広げる

そこに巻き込まれる

美貌のヒロイン、カリ・モーラ

タフな彼女は凄惨な過去を持つ移民で

動物を愛する心やさしい女性

 

一冊にまとまってるけど

中味は濃厚な本作

悪い奴らが互いの腹を探り合いながら

血で血を洗う金塊争奪戦

たまに謎の猛獣まで乱入し

ジェットコースター的展開はノンストップ

おまけに

最後の最後になって

何?今からこの展開で

残りこのページ数で収まるのか?

まさかのシリーズ第二作へ続く?

と心配させておいて

すっきりまとめるという名人芸

あー面白かった

しかしこれを読むと

マイアミの海でとれた蟹だとか

缶詰エスカルゴだとか

まあ食べる機会もないと思うんだけど

・・・ぜったい食えんな

 

なんか映画化されそうな気もするが

映像にしてほしくない部分も色々あり

やはりこういうものは

活字で楽しむのが一番かと