「獣でなぜ悪い」

園子温という映画監督の作品を

一本も見たことがないくせに

インタビューなんか読んでると

面白い人だ、と思うので

読んでみました

「獣でなぜ悪い」(文藝春秋

腰巻には「R-18の自由論」とある通り

自由について語った本だけど

やっぱり映画監督になる人は業が深いというか

一筋縄ではいかんのう

私はどうも

俳優などの

見た目重視の男性は

「あーはいはい」という感じで

たとえ気に入ったとしてもそれは

「あの作品のあの役」がよかっただけで

「俳優A」を追いかけようという気には

とんとならんのですが

どうやらそれが

園監督いうところの

「アデル力」なるものに関係あるようで

要するに人の「中味を問う」という事らしい

 

まあそんなに目新しい「自由論」ではなくて

フェミニズムの本など読んでいれば

幾度かは目にしているであろう

日本社会における女性の位置づけの偏りを指摘しつつ

もっと自分の頭で考え

それを行動に移せと

ざっくりいえばそんな感じ

 

彼がこういう考えを持つに至った理由は

家庭環境に負うところが多そうで

「閉じた辞書」みたいな父親と

自己を押し殺し続けた母親

ふつうそういう両親だと

子供はなーんか陰にこもりそうだが

ブラックホール転じてビッグバンみたいに

爆発しちゃったのだな

若い頃の過激なエピソードには笑った

やっぱり映画監督という人種は面白い