歩くこと

昼休みアウトドア派の私だが

ハイキングやら登山やら一切しない

にもかかわらず

そういう関係のドキュメンタリー番組などは好きで

要するに楽して気分だけ味わいたいという

まあ最低野郎だな

というわけで手に取った

ロバート・ムーア「トレイルズ 「道」と歩くことの哲学」(A&F)

アメリカ東部にはアパラチアン・トレイルというものがあって

その名の通り

アパラチア山脈を縦走する

全長約3500kmという

日本にいては今一つ実感に欠く長さの自然歩道

これを踏破する人がいるというから

ちょっとどうかしてんじゃね?

著者もまたそんな

どうかしてそうな人ではあるが

彼はその経験を通じて

そもそも「道」とは何なのかという

根本的な問題をじっくり考察した

アリの行列に始まり

高速道路まで

生き物のつくる「道」と

それをとりまく「自然」について

我々が漠然と抱いてきたイメージが

全く異なった姿で浮かび上がってくる

 

それにしても

アパラチアン・トレイルの半端ない長さ

おまけに

パンゲア大陸時代に遡り

その頃はつながっていたから

という理由で

アイスランド経由でモロッコまで

延伸するというじゃありませんか

いずれにせよ

私は行かないから関係ないんだけど

こういうのも一種の宗教じゃないかと

ふと思う

この本に登場するハイカーの皆さん

あまりにも巡礼っぽいので

そういえば

チベットでは

五体投地しながら聖地を目指す人がいるなあ

なんだかんだ言って

お遍路さんならやってみたいと

少しだけ思ったりするのよ

危ない危ない

 

そんな感じで

この本を手に取る人は多いらしく

今年の1月に出版されて5月で三刷

売れてるようだ