黄昏の客

うちの職場は

店舗部分もあるんだけど

来客は非常に少ない

本日

閉店時間となり

消灯し

シャッターも半分下ろしてるというのに

ガラスを叩く者あり

応対したらばこれが

全くうちの客層ではない

茶髪、Tシャツ、短パン、裸足にサンダルのお兄ちゃんで

手には火のついた煙草

くだけた口調というか

ちょっと酔ってます?という感じ

結論としては

お兄ちゃんのほしい物は

うちでは扱ってなかったが

彼は

「そっかあ~」と言いながら

片足を持ち上げ

「ケガしたんだよ」と

こちらへ向けた

なんと

爪先が血まみれ

それどころか

サンダルの底が血溜まり

こっちはもう

「あららら」ぐらいしか

言葉が出ないよ

だからといって別に

包帯あるかな?というわけでもなく

(我が社は薬局とかではない)

彼はそのまま

「じゃあね」と店先を離れ

退屈そうに待っていた

彼女らしき女の子に

「行こうかあ~」と声をかけ

ケガなんぞ全く痛くなさそうに

すたすたと歩いていった

 

黄昏は逢魔が時というけれど

なんかもう

異次元レベルの来訪者