危険すぎる

通勤バス

停留所に到着

先に降りた娘さんが

私の少し前を歩く

うつむき加減なのは

スマホを見ているから

小雨模様の朝

カラスがひと仕事したらしく

歩道のあちこちに

ゴミが散乱

やだねえ全く

ふと前方を見ると

何だか得体の知れない

細長いものが落ちてる

長さ太さはウナギぐらいか

白く半透明でブヨブヨしていて

まるで大きな脂身みたい

上には黒い帯状のものが

皮のようについている

でも何だか判らない

それがいっそう不気味

踏まないように気をつけよう

そう思った瞬間

前を歩いてた娘さんが

踏んだ

ドクターマーチンの花柄みたいな

綺麗な靴が

謎の物体をぐにゅっと

うああああ!!!!

これは私の心の叫び

娘さんは

スマホに夢中なので

そのまま歩いてゆく

しばらく進んで

「ん?」という感じで

足元を見たが

再びスマホに集中

前へと進む

これでいいんだよねきっと

そう自分に言い聞かせる私

何故かこっちが涙目

敢えて言うよ

歩きスマホ

ダメ、絶対!