「Ryuichi Sakamoto : CODA」

坂本龍一ドキュメンタリー映画

Ryuichi Sakamoto : CODA」

昨日より公開

さっさと上映終了するような予感がして

さっさと見に行く

日曜朝イチですよ

そして観客数は十人以下

しかし

よかった

教授の現在を撮りながら

これまでの歩みも振り返る

この一本で「世界のサカモト」は完璧

とは言わないが

要所はしっかり押さえてあり

お宝映像も満載

YMO時代の

「若っ!なんか生意気!」なインタビューもあれば

ラストエンペラー」の

メイキングオブ的映像もあり

特に後者の

ロケ先の長春でいきなり

一晩で作曲というエピソードは面白かった

もちろん「戦メリ」も忘れるな

ボーナス的にあのシーンが流れ

故人となったあの方にも会えます

更に

燭台が宙に浮いてて

なんだこれ、ソラリスじゃんよー

と思ってると

本当に「惑星ソラリス」だったりする

初めてスクリーンで見る「ソラリス」は

別物でした

ちゃんと全編映画館で見たい

 

というわけで

キャリアのおさらいをしつつ

最新のアルバム「async」の

制作過程にも寄りそう

音楽という仕事の一方で

社会問題に対する発言と活動も続けている教授

風当たりもあるだろうし

音楽だけやってる方が楽じゃないの?と

他人事ながら思うんだけど

「見て見ぬふりはできない」という言葉は

「そしてあなたはどうする?」という

問いかけでもある

 

教授の作品だけでなく

教授の弾くバッハもいいよ

何となく

書道をやる人が

王羲之の臨書に立ち戻る感じに似てる

そしてピアノの調律における

人工と自然の対立という考え

やっぱり教授は面白い

 

私は十代の頃

ドビュッシーラヴェルをよく聞いていて

全曲コンプリートしたら

新作がなくなってしまう

というのが不満だった

そこで

教授にターゲットロックオン

YMO散開後で「音楽図鑑」をリリースした頃

きっとこれからオーケストラ向けの曲も書くし

オペラだって作るだろうと

思ったんだけど

本当にそうなった

これは私に先見の明があったわけでなく

教授の才能が誰の目にも明らかで

それを実証していったに過ぎない

 

コンテンポラリーミュージックという言葉は

現代音楽と訳されるけれど

con 同じ

tempo 時代

で、同時代の音楽と呼ぶ方がしっくりくる

教授と同じ時代を生きることが喜びであり

その時間がこれからも長く続き

教授の弾くピアノを生で聴く機会が

再び来るように祈る

 

そうそう

見ようかどうか迷ってる人は急げ!

やっぱり劇場のスピーカーは良いし!

客は少ないし!