地獄を覗き見

休みだけど少し早起きして

あをによし

奈良の都へ

鹿がいるいる

何があるのか

すごい勢いで走る一群も

ごはんの時間か?

動物と過ごす場所はいいねえ

 

目的地は奈良国立博物館

特別展示「源信 地獄・極楽への扉」

Lonely Planet : Heaven / Hell 的な書物

「往生要集」を著した僧 

源信にまつわるもの

極楽往生するにはどうすべきか

死後の世界はどうなっておるのか

それをビジュアル化した絵の数々

どれも丹念に描かれているものの

やはり地獄が圧巻

なんかもう極楽は

定型パターンできっちり描いてるのに

地獄には

想像力を限界まで押し広げたような

勢いがある

別に行きたかないんだけど

盛り上がってんな…

遠くからそっと覗き見る

 

しかし

肝心の国宝「六道絵」がないんですけど

そう思ってたら

期間によって展示替えが!

もう終わってた(泣)

代わりと言っては何だが

この期間は同じく国宝の

「餓鬼草紙」と「病草紙」が出ております

しかしこの二種は地獄絵の持つ

アナーキーな迫力というより

むしろ憐憫の情を誘う

 

めくるめく

地獄極楽ジェットコースターの後は

同じチケットで入れる仏像館で

仏様に囲まれ

しばしの安らぎを

外に出ると

けっこうな雨

サンダルに飛んでる泥の何割かは

鹿の糞ではあるまいか

もやった空気は家畜の香り

いいんです

草食動物だから

 

帰宅して

テレビをつけたら

インパール作戦に関する

NHK特集を放送中

実のところ地獄とは

人間が作るものだった

合掌