「スペインの宇宙食」

旅のお供は文庫本

菊地成孔「スペインの宇宙食」(小学館

何年か前にEテレの「わたしが子供だったころ」に

著者が出ていて

色んな意味で濃い人だと思った

そして今ようやくその作品を

ホテルのベッドに寝転んで

・・・

なんじゃこりゃああ!

松田優作ばりにそう叫びたくなる

めくるめく世界がそこに

危ない危ない

こんなもの一気読みしたら眠れなくなる

音楽と

食事と

記憶と

官能と

混然一体となって猛スピードで突き進む

かと思えばうらはらに

醒めた視線が

高いところから見下ろしている

 

この人は

鋭すぎる感覚のせいで

けっこう大変だったんじゃないかと

(というか、大変な事になったらしい)

たしかカート・ヴォネガット

作家とはカナリヤみたいなものであると言ったけど

炭鉱で人間よりも早く

悪い空気に反応して

死んでしまうカナリヤのように

作家は時代の先にあるものを感じ取る

そういう意味では文中に登場する

DCPRGの活動なんか

9.11とそれ以後の世界を

はっきりと予感していたのかも

 

ほどほどなところで中断して

残りは帰りの車中でガーッと

ああやっぱり

なんじゃこりゃ