教授の新譜

坂本龍一の新譜「async」が出た

体調もよろしいようで安心

ライナーノーツによると

「架空のタルコフスキー映画のサウンドトラック」

というコンセプトらしいけど

無駄なものを全て濾過して残った

純粋な音の響きという感じで

教授はどんどん先に進んでるなあ

 

「fullmoon」のポール・ボウルズの朗読

私も最初に「ザ・シェルタリング・スカイ」を見た時

すごく印象に残ってましたよ

あと何度満月が上るのを見られるか?

その言葉もだけど

原作者なんでいきなりモロッコのカフェに現れる!?

というびっくりも若干

邪道な映画鑑賞

 

今んとこ一番好きなのは「solari」

ソラリス」のバッハもよかったけど

このほやっとつかみどころのない空気感がよい

 

このアルバムで思い出したのは

数年前に見た長谷川等伯の展覧会

北陸でちまちまと細密画のような絵を描いていた等伯

最終的に到達した「松林図屏風」の抜けっぷり

ここまでそぎ落としたんだ…と

カンディンスキーも初期の濃い感じ(それはそれで好き)から

円熟期は「スカイ・ブルー」のように簡潔な作風

世間一般には「枯れた」って表現になるのかな

しかしやはりこれは

極めた人にのみ為しうる

凝縮ではないかと